ラングラーやレネゲードなど人気の自動車ブランドを保有しているジープ(Jeep)ですが、それら人気モデルがいつ電気自動車になるのか?すでに電気自動車もある?など、ジープ(Jeep)の電気自動車事情について解説いたします。
ジープ(Jeep)はクライスラーじゃない!Stellantis N.V.の自動車ブランド
認知度の高いジープ(Jeep)ですが実はブランドを冠とした会社はなく、フィアットを保有している「クライスラーグループ」の1つの自動車ブランドとなります。
日本での「クライスラーグループ」は2015年1月に「フィアットグループ」と統合し「FCAジャパン」がインポーター(日本での販売総代理店的な立ち位置)となっておりました。
その「FCAジャパン」も2022年3月に「PSAジャパン」と統合し、「Stellantisジャパン」と社名が変更されております。アメリカ由来でThe・アメリカのイメージがあるジープ(Jeep)ですが、実はオランダを源流とする会社の一部になっているとはビックリ過ぎます。
2022年3月01日 | プレスリリース | STELLANTISStellantisジャパン誕生 個性豊かな8のブランドを1法人の下に統合Stellantis N.V.の日本における輸入販売子会社であるFCAジャパン株式会社とグループPSAジャパン株式会社は、2022年3月1日付で両社の事業を統合し、新たにStellantisジャパン株式会社として発足したことを発表します。な...
Stellantis社の電気自動車はどんな感じ?進んでるの?
そんなStellantis(ステランティス)社ですがオランダを源流としているということもあり電気自動車への取り組みもしっかり行っています。
Webモーターマガジン 新生「ステランティス ジャパン」は電動化を一気に加速。新生「ステランティス ジャパン」は電動化を一気に加速。FCAジャパンとグループPSAジャパン統合の相乗効果に注目だ - Webモーターマガジン多国籍自動車メーカーであるStellantis N.V.(N.V.はオランダ語で「株式会社」の略称)の、日本における輸入販売子会社であるFCAジャパンとグループPSAジャパンは、2022年3月1日付けで両社の事業を統合。新生「ステランティス...
現在もヨーロッパで販売されているStellantis(ステランティス)モデルの約15%は、プラグインハイブリッド(PHEV)またはバッテリー式電気自動車(BEV)として定義される、低排出ガス車(LEV)となっているようです。そして、2030年までにはその割合をヨーロッパでは70%以上、アメリカでは40%以上の販売を目標としております。
因みに、日本車メーカーはどのような目標になっているのか。トヨタでは2030年までに350万台の販売目標を掲げており、これは年間の販売台数の約1/3にあたります。日産は2030年までに50%以上の販売目標、ホンダは年間販売台数の約2/3の販売目標となっております。
日本車メーカーと比べてStellantis(ステランティス)社の電気自動車の販売目標は非常にアグレッシブに感じます。特に、環境意識の高いヨーロッパでの目標はオランダを源流とする会社としてはある意味必然なのかもしれません。
また、Stellantis(ステランティス)社では航続距離に応じた4つのタイプのモデルを開発中です。航続距離ごとに500キロ、700キロ、800キロの3タイプ。こちらはモノコック型で街乗りタイプの車種。さらにオフロード向けのラダー型。こちらの航続距離は800キロとなります。1番短い航続距離でも500キロとなっており、これは東京から京都までの距離とほぼ同じとなります。
このような航続距離を実現するためのバッテリー方式としてStellantis(ステランティス)社は2種類の電池を組み合わせる方式を採用。最終的には2026年までに競争力を備えた最初の全固体電池を導入することを目標としています。
電動化への移行を加速| Stellantis ジャパン株式会社
ジープ(Jeep)ブランドで発売されている電気自動車は?
ジープ(Jeep)ブランドでは2020年に『ラングラー』(Jeep Wrangler)初のプラグインハイブリッド車(PHV)の「4xe」(フォーバイイー)が発売され、「AutoTech Breakthrough Awards」において、ハイブリッドテクノロジーソリューションオブザイヤーを受賞しています。これがジープ(Jeep)ブランドによる初の電気自動車(PHEV)となっております。
Jeep Wrangler 4xe メーカーサイトJeep® Wrangler 4xe(ラングラー・フォーバイイー)|Jeep®Jeep® Wrangler 4xe(ラングラー・フォーバイイー)をご紹介。
それでは、日本におけるジープ(Jeep)ブランドの電気自動車はどのようなラインアップになっているのでしょうか。
Renegade 4xe、Wrangler 4xe、Grand Cherokee 4xeの3車種が日本におけるジープ(Jeep)のプラグインハイブリッド車(PHEV)となっております。これらのモデルは、搭載したバッテリーによってフル電気で50Km以内の走行が可能。ガソリンエンジンと電気モータでオフロードでも力強く走れる仕様になっています。
一方、ヨーロッパでは2023年にジープ(Jeep)ブランド初のEV、小型SUV『アベンジャー』を発表。アベンジャーの1回の充電での航続は、最大で400kmに到達します。もちろん日本での販売も予定されています。
ジープ初のEV『アベンジャー』、航続400kmジープ初のEV『アベンジャー』、航続400km…欧州納車は今春から[詳細写真] | レスポンス(Response.jp)ジープはブランド初のEVで、小型SUV『アベンジャー』(Jeep Avenger)の通常モデルの欧州受注を、発売記念車に続いて開始した。納車は2023年第2四半期(4~6月)、欧州で開始される予定だ。
Stellantis(ステランティス)社の方針に則って、2025年末までに北米と欧州でジープブランドのフル電動SUVを4モデル発売します。2030年にはジープの全モデルレンジにフル電動車を設定する計画で、その結果、同年の米国新車販売台数の50%がフル電動車になる見込みとのことです。
まとめ
- ジープ(Jeep)はオランダを源流とした多国籍自動車メーカーであるStellantis N.V.の自動車ブランド
- Stellantis(ステランティス)社は、2030年までに欧州で70%、北米で40%をLEVにする目標
- ジープ(Jeep)ブランドで発売されている日本の電気自動車は、Renegade 4xe、Wrangler 4xe、Grand Cherokee 4xeの3車種(すべてPHEVタイプ)
- 今後、新たにジープ(Jeep)ブランド初のEV、小型SUV『アベンジャー』が日本でも発売予定(欧州ではすでに発売済みで、2023年4月ごろから納車予定)
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